Guia ガイドブック

巡礼をするにあたってまず情報収集をします。最初に最もポピュラーな「フランス人の道」の巡礼を思い立った時、普通の旅と同様ガイドブックを求め本屋に出かけました。ところが巡礼経験者の書いた読み物は数冊あるものの、必要とする情報が整理されたものとは言えません。やっとの事でガイドブックらしきものを一冊見つけ、取り敢えず入手してざっと目を通してみました。果たして外国語に弱い私が、一人でこれを頼りに歩き通せるものかと思えるほどの情報量で、最も重要な地図に至っては絵の域を出ていません。ちょっと不安になりました。
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サンチアゴ巡礼ガイドブック」 (ダイヤモンド社)  唯一のガイドブックらしきもの
仕方が無いので外国のガイドブックを探すべくアマゾンで検索をしました。英語の他、ドイツ語、スペイン語等のものがありましたが、英語なら何とかこなせると思い入手しました。スペイン語とフランス語と併記で100ページ強のもので、情報量は十分とは言えないものの何とか頼りになるものと判断し携行することとしました。その後インターネットや日本カミーノ・デ・サンティアゴ友の会で情報を補強しました。現地では色々トラブルはありましたが、巡礼仲間や現地の人々からの情報、そしてまだ不十分ながら巡礼路上の黄色の矢印のサインを頼りに無事歩き通すことができました。その後の「ポルトガルの道」では同じ出版社のものを使いましたが、「北の道」と「銀の道」では英語版が見つからず、止む無く第二外国語のドイツ語版を使用しました。キーとなる単語を事前にチェックし、何とかガイドブックとして使用することが出来ました。
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サンチャゴ巡礼に持参したガイドブック(左から「フランス人の道」「ポルトガルの道」「北の道」「銀の道」)
現地では仲間の持つガイドブックを見せてもらいましたが、それぞれ特徴があり興味深いものがありましたが、イタリア語版が情報が簡潔に整理され地図も分かりやすく最も役に立ちそうでその上デザイン的にも優れていると感じました。
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イタリア語のガイドブック
フランス語版もイタリア語版に似たものでした。ドイツ語版はいかにもドイツらしく、何メートル歩いたら何があり、右に曲がって何百メートル歩くとどこそこに至ると過剰に詳しく記載されています。しかし地図等がわかりにくく、文章が十分に理解できない私にとっては使いにくいものでした。又韓国はカトリック国の為巡礼者が多く、しっかりしたガイドブックがありましたが、ヨーロッパ系のガイドブックを翻訳したもののようでした。とは言え、日本にはガイドブックは無いと言っても良い状態なので、今後に続く巡礼者のためにも取り敢えず既存のガイドブックの翻訳ものでも出版してほしいものです。
ガイドブックと言えばlonly planet社の"Japan"がテレビ等で紹介されています。図書館で借りて目を通してみましたが、メジャーな観光地を主体にカラーを多用した日本のガイドブックと異なり、実際の旅行者の情報を主体に落ち着いた色使いで編集されており、自分で旅を組み立てる人にとっては興味深いものと思いました。 又我々日本人にとっても外国の旅行者が日本の何に関心を寄せているかが分かり、国内でも新しい旅を発見できるガイドブックとして利用すればと思った次第です。
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外国人向け日本ガイドブック"Japan"(lonely planet社)