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シャーリー・マクレーン

書店で中公新書の「聖地巡礼」(岡本亮輔著)を目にし、早速手に入れました。その中でサンチャゴ巡礼のバイブルと言って差し支えないとして二冊の本を紹介していました。その一冊の著者があのシャーリー・マクレーン。インターネットで調べてみると、彼女には著書は9冊ありそのうちの一つが「カミーノ  魂の旅路 」(飛鳥新社  原題 "The Camino " 2000年)とありました。ちなみに、カミーノとはスペインの"道"であるが、サンチャゴ巡礼路を固有名詞的に"Camino"と呼びます。
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カミーノ  魂の旅路      飛鳥新社
ご存知と思いますが彼女は1934年生まれのアメリカの名女優で、1983年に「愛と追憶の日々」でアカデミー主演女優賞を獲得している。決して美人とは言えないが、天然気味でちょっとキュートな彼女は私の最も好きな女優でした。
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ついでながら、「アパートの鍵貸します」が私のベストワン。
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彼女は1994年にサンチャゴ巡礼をしており、その時の経験を書き記したものが"The  Camino"です。彼女のイメージとハードなサンチャゴ巡礼がなかなか結びつかず、大いに興味を惹かれ図書館から借り出し ました。
内容は私にとってはちょっと難解で理解不十分。と言うのは、彼女は「霊」に非常に関心を持っており、この著書は"個人的な霊的探究の物語"でした。その内容を簡潔にお話をするには、訳者(山川紘矢/山川亜希子)のあとがきの引用が適切と思われますのでその部分を紹介します。

足にマメを作ったり、新聞記者に追いかけられたり、道に迷ったりと、毎日二十五キロ以上も歩くハードな旅の合間に、彼女はさまざまな夢や幻想の世界に導かれて、自分の奥深くへ、そして時間をさかのぼっていく旅も続けます。いわば、八百キロの道を歩くという水平的な旅と、自分の内面へ深く突き進んでいく垂直的な旅が、まさに十字架のように交差しながら、シャーリーの巡礼は行われました。
            「カミーノ  魂の旅路」の訳者のあとがき

でも、彼女が旅をした約20年前は巡礼路の環境が今ほど整備されておらず、さらにはプライバシー丸出しの旅行形態での有名女優という彼女の立場の大変さが如実に記述され、興味深く読み終えました。
以前、サンチャゴ巡礼をやり遂げた時の心境についてコメントしましたが、うまく説明ができなくて読んでいただいた方にはうまく伝わっていないと思い続けています。
今回この著書の中で私の心境に近い記述を見つけましたのでここにご紹介します。

私は喜びの山にも立ち寄らないことにした。そこにはサンチャゴが見渡せる高さにまで登り、深い喜びを感じるところからつけられていた。それは旅が終わる喜びだった。私はその喜びを否定しようとしていた。正直言って、私はその喜びを感じていなかったのだ。ただ、どう定義していいかわからない何かを感じていたーー一種の「知っている」という感覚だった。なぜか、私の本当の旅はこの旅の終わりから始まる、ということを知っていた。そのとき、アンナが言ったことを思い出した。「本当の旅は、あなたがカミーノから学んだものを消化し終わったときから始まるのよ」
         「カミーノ  魂の旅路」 飛鳥新社

ちなみに喜びの山とは  サンチャゴ大聖堂の4.5キロ手前の

「歓喜の丘」を意味するモンテ・ド・ゴソ。サンチャゴを目指して長旅を続けてきた巡礼者たちが初めてサンチャゴ大聖堂の三本の尖塔を目にして歓喜の声を上げた、と言われる場所である。 
          「聖地サンチャゴ巡礼」(ダイヤモンド社)

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モンテ・ド・ゴソの「巡礼者の像」