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ゴメンなさいのパチリ


スペインやポルトガルでは殆どの美術館や博物館ではフラッシュを使わなければカメラ撮影はOKです。しかし撮影禁止の場合でも、何とか撮影したいという衝動に駆られる時があります。又、注意書きに気付かず撮影後に注意を受ける事もあります。そこでゴメンなさいの写真を紹介します。

スペイン・バロック様式の傑作を見るべく、グラナダの北西部に位置する修道院に出かけました。教会内部の装飾はそれは見事。でも撮影する人が多いのか監視員がじっと立ったままです。しかし監視の緩い別の部屋で見かけた数点の残虐画の異様さ。これは捨て置けないと隙を見てパチリ。

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グラナダ・カルトウハ修道院

われわれはすでにスペインのキリスト教絵画や彫刻の残虐さ加減については、幾分かのことを知っている筈である。
        中略
これらの全残虐画を長い間にわたって見つづけて来ている私の結論は、これらの巨人たちにあって、日常的な事件、あるいは時代の日常における異常な事件が、それらの事件のアクチュアリティを超えた何等かのものを考えさせる場合、彼、あるいは彼らが、「私がこれを見た」として、彼、あるいは彼らが見たものを表現し、告げようという、不可避的な意欲が、感情を、ここで逆説的な言い方を使えば、いわば滞りなく超えてしまうことの次第である。
         ゴヤ  四     運命・黒い絵          堀田善衛

上記の文はゴヤの生きた近世スペインの暗黒時代を背景に記述されています。しかし、この絵が描かれたのは何時の頃か確認していないが、そのまま当てはまると思う。

1308年にリスボンから移転してきた歴史ある大学の一隅に、蔵書30万冊の図書館がある。四方を取り囲んだ年代物の蔵書は勿論だが、それを包み込んでいる金泥細工の内部装飾や調度品が見事。その中に佇んで、この臨場感を少しでも持ち帰れたらと思い隙を見てパチリ。

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ポルトガル  コインブラ旧大学のジョアニア図書館

ポルトガルポルトの書店。古い建物を利用したもので、「世界一美しい書店」と言われている。私は海外に出かけた時、地図を購入する為しばしば書店を訪れるが、この評価に全く異論はない。一方、日本の「本屋」は図書館の書庫にしか見えず、店の佇まい関心をうばわれた経験はない。今では表に行列ができ、デポジットとして420円を徴収しているとテレビの旅行番組が伝えていた。
複雑な心境であり、あの時行っていて思わずパチリで良かったとつくづく思う。

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ポルトのレロ・イ・イルマオン書店

スペイン北部の港湾都市ビルバオは、かつて鉄鋼・造船の工業都市として栄えたが、深刻な不況後の都市再生の一環として、造船所跡地にグッゲンハイム美術館の分館を誘致した。設計はアメリカの建築家フランク・O・ゲーリー。船をイメージした外観や屋外の花で飾られたイヌは広く 紹介されている。しかし、初めて目にしたアトリューム内の天井にまで伸びる鉄とガラスの巨大なオブジェ?。監視員が見当たらないのを幸いにパチリ。

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現代アートの展示品 

観光客があまり足を伸ばさないサラマンカのカテドラルの裏道の美術館。実業家の邸宅を美術館として公開している。名前の通り19世紀末の貴重な作品が展示されているが、見所はむしろ室内空間を演出するステンドグラス。
大学都市に相応しい洗練された美術館である。誰もいないと思ったが監視カメラがあるらしく監視員が飛んできた。

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サラマンカのアールヌーヴォーとアールデコ美術館

マドリッド市民の別荘地にあるエル・エスコーリアル修道院は、宮殿や霊廟を兼ねている。地下の王家の霊廟には円形の壁面に、ズラリとスペイン帝国の黄金時代を象徴する歴代国王の柩が納められている。これはちょっとやそっとではお目にかかれない光景だが、さすがに監視が厳しい。ここにも図書館があるが室内には入れない。覗き見るとこれまた見事な天井のフレスコ画。監視の手薄な廊下からパチリ。

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エル・エスコリアル修道院の図書館

スペイン・アラゴン州の州都サラゴサのカテドラル  ラ・セオ。建物も素晴らしいが付属の博物館のフランスとフランドル地方のタピスリーが見事である。絵柄の背景となっている歴史をよく知らない我々日本人はスッゴイで終わり。だが近寄ってよく見ると布の陰影が見事に表現されている。思い切り近づいてパチリ。カメラの性能が良くなっているから分かって頂けると思う。

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サラゴサ  セオ付属の博物館のタピスリー

じっくりと構えての撮影でないので、他人にはどうといった事のない写真だが、私にとってはその時感じた事が後になって色々と思い出されるショットである。
私は観光地巡りのアリバイとして写真を撮っているつもりはなく、その時の印象を後日改めて味わいたいとの思いで撮影しているので、無断撮影の儀ご容赦願いたい。